歯周病はなぜ痛まない?

皆様こんにちは!本日は歯周病がなぜ手遅れになっていることが多いのかご説明致します。

歯周病の進行に沿ってお話します

①歯磨き不足によって歯と歯の間にたまったプラーク(細菌のかたまり)が悪さをし始め、歯茎に炎症が起こります。すると、免疫細胞のリンパ球が炎症性物質を出して危険を大脳に知らせようとします。

しかし、歯周病菌が出す色々な毒性物質がリンパ球に炎症性物質を出させないようにします。つまり「痛みを出せ」という信号をキャンセルさせてしまいます。さらに毒性物質はリンパ球やマクロファージに細胞死を起こします。その結果、感じる痛みは最小限に抑えられ、歯茎がむずがゆい程度で終わります。

②この異常に気付かないうちに歯周病が進行します。細菌の毒性物質が歯と歯ぐきの付着部分を破壊し、歯周ポケットができます。ポケットの内側の歯茎は傷ができ出血し始めますが、毒性物質の影響で痛覚受容器が正常に働かないため痛みは感じません。炎症により歯茎の血管が充血するのでからだの他の部位なら内圧が高まって痛みを感じるはずですが、歯茎の内側の傷口から出血しているため内圧は高まらず、痛みは感じません。 

③血液を栄養に増殖した歯周病菌は、毒性物質によりますます歯茎を免疫を抑制し、痛覚受容器も破壊していきます。こうなると歯茎は痛みを感じられないサンドバック状態となります。歯茎がぷっくり腫れて内圧が高まったときは痛みを感じますが、それ以外は痛みがなく進行して、気づいたときには手遅れとなっていることが多くあります。

「痛まないから大丈夫」が通用しないのが歯周病定期的な歯科健診が歯周病から歯を守るただ1つの手段です!是非、みなさま定期検診をご受診下さいませ。

次回もお楽しみに!